2014年12月4日木曜日

世に棲む日々 二巻

この巻の途中で松陰は刑死となる。

司馬遼太郎は、革命の初動期には詩人的な預言者が現れ、「偏癖」の言動をとって世から追い詰められ非業に死ぬ。
中期には卓抜な行動家が現れ、奇策縦横の行動をもって雷電風雨のような行動をとる。
その事業家もまた多くは死ぬ。
それらの果実を採って先駆者の理想を容赦なく捨て、処理可能なかたちで革命の世をつくり、大いに栄達するのが処理家たちのしごとである
松下村塾は世界的な例から見てもきわめて稀なことにこの三種類の人間群を備えることができた。

と書かれてある。

戦国時代以降の永く続いていた徳川時代からまさに明治の維新が起こるまでの間の変革はまさに激動だということがよくわかる。
竜馬や新撰組のことはある程度知ってはいたが、この時代の状況は非常に複雑極まりない。
幕府あり、全国に藩があり、そこへ外国が乗っ取り(考えようにより)にくる。そして天皇も。
思想も様々で人を殺す事の悪(罪)のレベルも現代ともまた違う。

松陰亡き後、大揺れに揺れる日本国の中で長州藩の高杉晋作が動き出すのだが、
生まれや育ちが松陰とかなり違うエリートな彼が革命を起こそうと志すまでの経緯や紆余曲折も知らなかった。
剣術、詩、絵画などあらゆる分野で才能を持つ高杉晋作が何をやっていいのかわからなくなり、一時期藩主に使える平凡な生活もまた福なりと思っていたら、途端に革命への道へ進む瞬間が面白い。

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